
木々の新緑が眩しい祖母山麓の、竹田市荻町。標高約600mのこの高冷地で、風薫る5月、うんと色が濃くて美しい夏秋ピーマンが実をつけ始めました。
「昔は、こんな土地でピーマンが育つのか? と言われていた。でも霜さえきちんと防げば、夏に立派な実をつける」というのは、大分県ピーマン生産者協議会の会長、三好隨義(さざよし)さん。いまから20年ほど前に栽培を始めました。三好さんは、おじいさんがこのまちに移り住んでから三代目。「趣味や遊びでやるんじゃない。本気で農業をやっている」という職人気質の生産者です。
三好さんは、2月の、まだ霜の降りることもある頃にピーマンの定植を試みました。ビニールハウスの中で、さらに畝ごとにビニールをかぶせて霜からピーマンの苗を守りました。すると5月、立派なピーマンが実をつけたのでした。ちなみに、2月に定植するのは、通常よりも1カ月早い作業。早めの出荷に対応するために1カ月も作業を前倒ししたのです。
高冷地でも栽培していることもあり、大分県は現在、西日本最大、日本でも4位の夏秋ピーマンの産地となっています。今後も質、量ともにレベルの高いピーマン産地であるために、三好さんはあることを思いつきました。部会の生産者たちの士気をあげるために、10aあたりにできたピーマンの生産量によって、上位10人を表彰しているのです。
「とても熱心な人は毎年入賞している。これでみんな奮起してほしいんですよ」
ピーマンのパキッとした濃い緑色が、彼らのそんな情熱にも重なります。
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でも、自然が豊かなだけに、害虫の駆除には三好さんも頭を悩ませています。たとえば畑のまわりにはクローバーがたくさん群生していて景観としてはよいのですが、このクローバーに害虫が寄りつきやすく、畑まで侵入してくるのです。
「農薬はできるだけ使いたくない。けれどどんな小さな隙間もくぐりぬける見えない害虫がいるから……。」
三好さんは、定められている厳しい農薬の慣行基準よりも、さらに農薬を減らそうとがんばっているそうです。
現在は、極限まで水を減らす点滴灌水の「養液土耕」のシステムを使って、出来にむらのないピーマンづくりに励んでいる三好さん。これからも、産地をぐいぐい引っ張っていってほしいと思います。日本一の産地を目指して――。
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| 祖母山麓のまちで、標高は580m。4月に雪が降ったこともある高冷地にハウスがある |
作業は妻と二人三脚。朝7時から夜8時までハウスにいるという働き者のご夫婦 |
開花から25日で収穫できる。まだ熟していないので緑だが、放っておくと黄色、赤と色が変わっていく |
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| 陽がよく当たるよう〈整枝〉する。手で糸を吊る、その作業の早いこと! |
三好さんは毎日畑に着いたらまず1個ピーマンをかじる。これが彼の健康法 |
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